今月のエッセイ(2024/7)
Author: セプティマ・レイ
7月です。7月は私の誕生月なので、最も好きな季節です。昨年の誕生日に、台湾の友人たちに台北のレストランで還暦を祝ってもらったのが昨日のことのようです。多くの同級生たちは役職を外れて、再雇用されたり、独立してビジネスを始めていることでしょう。あるいは退職金をがっぽりもらって、悠々自適の生活を始めている人もいるかもしれません。いずれにしても、第二の人生の第一歩を踏み出していることは間違いありません。
先月のエッセイで肩腱板断裂になってしまったと書きましたが、週1回、整形外科にリハビリに通っています。腱が切れた付近を40分くらいかけて、ほぐしてもらう治療です。リハビリというと、回復のために自発的に回復に励むというイメージですが、私の場合、ひたすら左肩付近を揉まれているだけです。リハビリが終わった後はかなり肩が動くのですが、いつの間にか元に戻ってしまいます。現在、左肩は横90度までしか上がらず、元に戻るのかちょっと心配です。
お医者さんによると、一度断裂した腱は自然につながることはないそうです。ただし、残存している筋や腱を含めた関節周囲の筋機能を向上させることで症状を改善させることが可能なので、リハビリによって、損傷していない腱の機能向上を図り、関節の安定性を高めるそうです。これまで病気と無縁な生活を送っていただけに、二度と戻らないことに最初ショックを受けましたが、これが年を取ることかと実感しています。自分では気が付かないうちに、体は着実に老化しているんですね。
そう考えると、81歳のバイデンと78歳のトランプが大統領選を戦っているアメリカは、特異な状況にあると言えそうです。後期高齢者にアメリカの未来を託さなければならないアメリカの国民の心中たるや、いかがなものでしょうか。とはいえ、日本の政治家の高齢化の問題も深刻です。定年制を設ける政党もありますが、例外も多くあり、必ずしも有効に機能しているとは言えません。少なくとも国会議員の定年制を導入し、70歳以上の議員を国会からなくすべきです。そして、高度に複雑化する国際情勢に的確かつ迅速に対応できる能力を身に着けた、優秀な政治家だけが国政に参加すべきです。
ところで、台湾から戻ってきて驚いたのは、学生の出席率の低さです。やはりコロナ禍の影響でしょうか。履修者の3~4割くらいしか授業に出席しません。知財検定対策講座という授業は、履修者が80名いますが、出席者はたった20名くらいです。対面で授業を受けることに価値を見出さない学生がこれほど多いとは、驚きです。高い授業を払って、授業を受ける権利を放棄するとは、さすが日本の大学といった感じです。つまり、大卒という資格を取りに来ているだけの学生が多くを占めるということですね。ガランとした教室に入ると、なんとも悲しい気持ちになる今日この頃です。