今月のエッセイ(2025/5)
Author: セプティマ・レイ
5月です。先月のエッセイでもご案内しましたが、5月27日に弘文堂から『アメリカ著作権法』という全408ページの概説書が刊行されます。本書は、弘文堂〈アメリカ法ベーシックス〉シリーズの第15巻として出版されるものです。脱稿は2024年8月で、それから約8か月間にわたり、初校・再校・念校を経て、いよいよ5月27日に書店に並ぶ運びとなりました。65歳の定年までに刊行できればと思っていたので、無事に間に合って本当に良かったと思っています。なお、6月21日(土)には、明治大学にて出版記念イベントの開催を予定しております。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。詳細は決まり次第、改めてご案内いたします。
『アメリカ著作権法』の念校が終わった後、著作権法コンメンタールの条文解説を執筆しました。これまでこの類の執筆依頼はなかったので、少々驚きました。今回は編集者が交代したこともあり、編集方針も変更されたのでしょう。ただの条文解説では面白くないので、立法経緯に紙幅を割いて、いかに政治的な思惑が立法の背景にあるのかを掘り下げて論じました。また、条文の規定ぶりにも納得できない点が多かったため、かなり批判的な解釈を試みています。そのため、私の担当した箇所だけ、やや毛色の異なる内容になっているかもしれませんが、刺激がない本はつまらないので、ご寛容いただければと思います。
この原稿の締切日は4月30日でしたが、1か月ほど前に、編集者から進捗状況の確認メールが届きました。編集者にとっては通常のリマインダーだったのでしょうが、締切は必ず守ることを信条としている私にとって、この手の催促は非常に苦手です。あたかも信用されていないように感じられ、やる気をそがれてしまいます。加えて、学者にとって一年の中でも最も多忙な4月の末日に締切を設定するという点にも、いささか配慮を欠いているのではないかと思わざるを得ません。さらに、原稿を提出してから2日後にようやく受領のメールが届いたのも、少し残念でした。そんなこともあり、今回の執筆依頼を引き受けたことについて、少々後悔している今日この頃です。
東洋大学では毎年春学期に公開講座を開催していますが、今年も6月28日(土)13時から16時15分までの180分(休憩15分)、「AI時代における音楽の盗作問題を考える」というテーマで公開講座を開催します。ゲスト講師2名をお迎えして、曲を聴いたり、実演しながら、日米の音楽盗作について考えるという企画です。申込期間は2025年4月1日(火)~6月18日(水)です。この講座を含めたパンフレットは、こちらでご覧いただけます。また、申込方法はこちらをご覧ください。ぜひ奮ってご参加ください。