今月のエッセイ(2024/3)
Author: セプティマ・レイ
3月です。先月のエッセイでもお伝えした通り、3月25日(月)に『エンターテインメント・ビジネス-産業構造と契約実務-』という書籍がリットーミュージックから発売されます。2月初旬に無事校正が終わり、あとは印刷・製本を待つだけです。すでにアマゾンで予約注文ができますので、興味がある方はぜひお手に取ってください。この本は、音楽、放送、CM、出版、アニメ、映画、ゲーム、演劇といったエンタメ業界全般にわたって解説しています。私の集大成ともいえる作品なので、多くの業界関係者に読まれることを期待しています。なお、中国語版、日本語版に続いて、来年は英語版を出版する予定です。
2月8日(木)に久しぶりに学内入試の監督を担当しました。160名くらいの受験生を担当したので、教員2名、職員2名、派遣4名という布陣で臨みました。共通テストと異なり、3教科試験なので、作業的にも時間的にもかなり楽です。しかも、今回はとても優秀な職員の方が付いてくれたので、本当にスムーズに実施できました。入試監督を担当して驚いたのは、英語科目を外部試験(英検)の点数を申請して、受験しない学生が相当数いたことです。私は経済格差が試験結果に影響を及ぼすのでこの制度には反対ですが、受験生にとっては使い勝手がいいようです。
報道によると、大阪大学で実施された法学部の2次試験で、国語の試験中に試験監督が談笑していたとして、10人ほどの受験生から試験終了後に抗議があったそうです。大学入試課は「国語の試験開始直後に内容に関する質問が相次ぎ、監督者が確認のため会話した。業務上必要なもので談笑の事実はなかった」としています。しかし、この回答はにわかには信じられません。というのも、試験内容に関する質問は試験監督が答えてはならず、試験本部の指示を仰ぐのが鉄則だからです。試験監督は問題作成者ではないので、内容に関する質問に答えることはできないし、答えてはいけないのです。
来年出版する学術書のために、2月は4万字くらい原稿を書きました。A4サイズでいうとたった25枚ですが、400字詰め原稿用紙にすると100枚以上になります。書籍にする際には37万字にまとめるように編集者から言われていますが、A4サイズでいうと230枚、原稿用紙でいうと925枚です。膨大な文字数なので、学者が単行本を書き下ろすことはあまりないと思います。通常は、書き溜めていた原稿(発表済みの論文等)をうまく構成して、書籍にします。私の場合もお決まりのパターンですが、書き下ろしの論稿もかなりあります。ただ、未発表原稿が多い方がお買い得感はありますよね。
私は定年まであと5年なので、残された5年間をどう過ごすかを考え始めています。2024年、2025年、2026年の計画はすでに立てました。問題は最後の2年です。一つのことを2年間集中してやれば、ある程度の成果は残せる気がします。しかし、すでに誰かがやったことでは面白くないので、誰も手を付けていない新しいことをやるのが前提です。そして価値があることも重要な要素です。しかし、価値があるのに今まで誰もやってこなかったということは、時間と労力がかかるということです。そこを長年培った知識や技能でカバーできれば、面白いことができそうな気がします。ここしばらくは最後の仕事を何にするかを思い巡らす日々が続きそうです。
下の写真は3月1日に撮った柏の葉公園の桜です。