今月のエッセイ(2023/8)
Author: セプティマ・レイ
8月です。先日60歳になりました。気が付くと周りはみんな年下ばかりになりました。私が奉職する東洋大学の定年は65歳なので、私よりも年上の先生がまだいらっしゃいますが、それも法学部では7~8人足らずです。音楽業界では大手以外は定年制を採用していないので、元気な先輩方が活躍なさっていますが、それでもかなり少なくなりました。50代まではあまり気にしていなかったのですが、60歳になるとなぜか歳を意識するようになりました。おそらく今後のことを考える時に、一日、一月、一年の重みがこれまでと違うからだと思います。
さて、いよいよ私の新刊本が台湾で出版されます。本のタイトルは「日本娛樂產業與法律—兼論臺灣娛樂法」となりました。英語では、Entertainment Business and Law in Japanです。定価は560元なので、日本円で2,500円くらいです。日本では表紙のデザインや小売価格、発売日、発行部数等を事前に相談したり、教えてくれるのですが、台湾の業界慣習なのか、私が日本人からなのか、出版社のサイトで情報を入手しています。なので、いまだに発売日を知らないのですが、8月11日に出版記念イベントがあるので、どうやらそれまでには出版されるようです。
https://www.angle.com.tw/book.asp?BKID=15332&bkid_1=&KindID3=&KindID4=
この本はもともと英語で書いたものなので、暇を見つけては日本語に翻訳しています。最初、Chat GTPを使って翻訳しようと思ったのですが、文章に個性が出ないのでやめました。私の毒舌キャラが影をひそめてしまうので、英語の文章を1回読んで、自分の日本語が出るまで待って書いています。するとめちゃくちゃ時間がかかって、英語で書いた時の3倍くらい費やしています。まあ、何事も経験なので、試行錯誤しながらやっています。この本の類書はあまりないので、日本でもかなりニーズがあると思います。
7月24日から29日まで明治大学の今村哲也先生が地理的表示法と種苗法の研究のために来台しました。彼とは早稲田大学大学院の同期なので(二人とも高林龍先生の一番弟子)、かれこれ22年の付き合いです。大学院時代の5年間はほぼ毎日一緒にいたので、もう兄弟のようなものです。26日と27日の2日間にわたり、台中の農家(みかん畑と梨畑)や行政院農業委員会種苗改良繁殖場に行って、現地の方々の話を聞きました。百聞は一見に如かず。本当に有意義な見学になりました。種苗法はいまいち興味が湧かない法律でしたが、これを機に研究テーマの一つにしようと思います。
PS 写真は梨畑で撮ったもの。ちょうど生まれたばかりの子猫がいたので、一緒に遊びました。