今月のエッセイ(2022/12)
Author: セプティマ・レイ
12月です。早いもので台湾生活も4か月目に入りました。12月に入って、ようやく台湾も涼しくなってきました。といっても、まだ日中は20度くらいありますが・・・。最近では、よく行くお店から常連さん扱いされるようになってきました。近所のカレー屋さんは必ずゴボウ天をおまけにくれます。週2回のペースで行くパン屋さんは、注文していないのに「カフェラテ2つね」と言って、準備に取りかかります。週1回のペースで行く台湾料理屋さんは端数の食事代をおまけしてくれます。隣の軽食屋さんは、近所で偶然会うと手を振って挨拶してくれます。ほんとに台湾の人たちは親切で気さくで素敵です。
先月のコラムでは、国立政治大学で授業を行った話を書きましたが、その時の講演資料をもとにして、アニメ・ビジネスに関する論文を英語で執筆しました。今月末に発行される「PATENT & LICENSING」という雑誌に掲載されます。実質的に1週間で書き上げましたが、文法とワードチェックに2週間くらいかけました。私は昔から英文法が好きで、文法にはちょっと自信があります。一方、東洋大学の法学部生は英語が苦手な子が多く、特に英文法を毛嫌いします。そのために「Japan Timesを読む」という授業をやっているのですが、文法がわかるようになると、あっという間に英語力が向上します。
今学期の台湾大学の授業もあと2回になりました。かなり入念な準備をして授業に臨むので、100分の授業があっという間に終わります。パワーポイントを使って講義していますが、平均140枚のスライドの内容をすべて暗記していきます。つまり、スクリーンを見ないで、内容を話すわけです。学生は私がいかに時間と労力をかけて準備をしているかがわかるので、授業を真剣に聞くようになります。まあ、ここまでやっても一部の留学生はパソコンで内職しますが、それはどこの国でも同じです。つまり、遊びに来ている留学生には何をやっても無駄ということです。
ところで私の指導教官である高林龍先生の古稀記念論文集「知的財産法学の新たな地平」が12月12日に刊行されます。私は編集委員の一人として、企画の段階から関わっていますが、高林先生の誕生日に間に合うことができるようで、ほっとしています。私はライフワークである著作権契約法の論文を執筆しました。「カナダ著作権法における復帰権制度に関する一考察―著作者に契約のチャンスは2度必要か―」というタイトルで、おそらく日本では紹介されたことのないカナダ著作権法の復帰権制度を取り上げています。私の論文はともかく、優れた論文が数多く掲載されていますので、ぜひお買い求めいただけますと幸いです。
今年も大変お世話になりました。みなさん、良い年をお迎えください。