今月のエッセイ(2021/11)
Author: セプティマ・レイ
11月になって、めっきり寒くなりました。私は7月生まれなので夏には強いですが、冬はからきし苦手です。よくもまあ、極寒のニューハンプシャー州に1年、札幌に2年半住んでいたな~と思います。さて、「よくわかる音楽著作権ビジネス」の改訂版が今月27日(土)に発売されます。実は4月からずっと改訂作業を続けていて、6月に基礎編と実践編の原稿を書き上げました。ここから3か月間、みっちり校正作業をしていました。念校までたっぷり5回校正したので、かなり読みやすくなっていると思います。
前回(5版)は2018年2月に刊行していますので、3年9か月ぶりの改訂となります。これまでは5~7年の間隔で改訂していましたが、今回は著作権保護期間の延長に伴う改訂版ということで、当初はマイナーチェンジに留める予定でした。ただ、いざ改訂作業を始めると、ついつい欲が出て、基礎編は書き下ろしを5話、実践編は2話追加することにしました。基礎編は全50話、実践編は全40話となって、ボリューム感がかなり増しました。2冊合わせると、約1,000頁という大著になりました。
3年9か月というのはあっという間という気がしますが、改訂作業を始めてみると、音楽業界もかなり変化していることがわかりました。びっくりしたのは、トイズファクトリーの商品の販売元がバップからソニー・ミュージックソリューションズに変更されたことです。さらにJASRACの演奏権分野の区分が3つに細分化され、NexToneの参入障壁がぐっと下がったこともうれしいニュースでした。また、JASRACがライブハウスにおける楽曲報告をサンプリング方式から全曲報告に変えたことも朗報でした。
今回の改訂で6版となりますが、1995年4月に発売された初版はカウントしていませんので(まだ2冊に分かれていなかったので)、通算では7版となります。26年以上にわたって、みなさんのお手元に届けることができるというのは、望外な幸せです。初版の後は、類書がちらほら出版されましたが、最近ではすっかり見かけなくなりました。なお、実践編では従来通り、契約書のフォーマットを掲載していますが、改訂に伴い、契約書の内容も見直しています。また、新しい契約書もいくつか追加しました。このサイトでも最新版をアップしていますので、ご自由にお使いください。権利主張なんて野暮なことはしませんので、どうぞご安心ください。
そうそう、今回の改訂ではマンガからタバコのシーンを全部消してあります。これまで気にならなかったのですが、改めてマンガを読んでみると、かなりタバコのシーンが目立っていました。そこでマンガを担当して頂いている松本先生に無理を言って、タバコのシーンをすべて消してもらいました。言われないと気付かないくらい、上手に消して頂いています。時代に合わせて、本の内容も変えていかなければなりません。今回は校正の時間をたっぷり取ったので、こういう些細な部分にも気を遣うことができました。そういう意味でも今回の改訂版は自信作ですので、ぜひお手に取っていただければ幸いです。