今月のエッセイ(2021/10)
Author: セプティマ・レイ
10月になりました。10月に入ったら、急に忙しくなって、まったくエッセイを書く時間が取れませんでした。最近は余裕をもって仕事をするようにしていたのですが、急ぎの仕事と授業(集中講座)が重なったため、このエッセイも13日アップということになってしまいました。申し訳ありません・・・。さて、長く続いた緊急事態宣言がようやく解除されました。解除された当日の10月1日に白山のしゃぶしゃぶ屋に友人と2人で食事に行きました。あいにくこの日は台風が関東地方に上陸したため、お店はかなり空いていました。お店の人から見ると、ずぶ濡れでお店にやってきた我々は「お前ら、飲む気満々やん」という感じだったと思います。久々に外で飲む生ビールは最高でした。飲食業界はまだまだ大変だと思いますが、少しでも景気回復に貢献したいと思います。
さて、9月の下旬から大学では秋学期が始まりました。早稲田大学はゼミの授業はすべて対面で実施できるので、通常通りの授業を行っています。めちゃくちゃ楽しいです。一方、東洋大学は10月末までは原則オンライン授業です。さらに11月からも白山キャンパスにある学部をAグループとBグループに分けて、それぞれ隔週での対面授業となります。また、大教室での授業はすべてオンラインです。さらに図書館も隔週でしか利用することができません。早稲田大学に比べると、あまりに学生が可哀そうです。慎重な対応をし過ぎると、来年度の入試の志願者数に大きく影響するのですが、大学の執行部は深く考えていないようです。
私はテレワークやICT教育に反対する立場ではありませんが、メリットとデメリットを見極めた上で、活用しないと危ないと思っています。一部の不見識な大学教員は、オンライン授業をどんどん広めて、将来的には遠方に住んでいる教員を採用しようと考えているようです。音楽業界では一時期ライブ配信で財政難を何とか乗り切ろうとしましたが、やはり所詮はオンライン配信なのです。ライブとは名ばかりで、臨場感や熱気は伝わらないのです。私も数回見ましたが、自分でチケットを購入したのは山下達郎さんのライブ配信1回だけでした。授業も同じで、オンライン授業では緊張感や臨場感、熱気が伝わらないのです。テレビを見ているのと一緒です。つまりは面白くないのです。
今の若者はYouTube世代です。90分の授業動画なんて長すぎて集中できません。せいぜい10分までです。やるとしたら10分の動画を9つアップするしかありません。しかも、ただ画面に向かってしゃべっている授業なんて、だれも見ません。教育系YouTuberと競争しなければならないのです。まず、勝てるわけがありません。彼らに勝てるとしたら、ライブ感なのです。しかし、オンライン授業というのは禁断の果実です。教員も学生もかじってしまったのです。学生は、自宅で寝そべって、お菓子を食べながら、メールを見ながら、ほかのサイトを見ながら、授業を受けることができるのです。
教授も同じです。オンライン授業なら私語はないし、自宅で講義すればいいので、満員電車に揺られる必要もありません。一度動画を収録すれば、毎年使いまわしすることができます。つまり、夢の印税生活ならぬ、夢の隠居生活ができるのです。もともと大学の教員は、授業が苦手な人が少なくありません。できればずっと研究活動をやりたいという人が多いのです。こういう人にとっては、オンライン授業は願ったり、叶ったりなのです。つまり、教員も学生もオンライン授業という禁断の果実をかじってしまったせいで、元の対面授業に戻りたくないという人が多く存在するのです。まあ、これも世の流れと受け入れるか、流れに逆らってもとに戻すか、学校教育は重大な岐路に立たされているのです。