今月のエッセイ(2020/05)
Author: セプティマ・レイ
5月です。東洋大学では4月27日からようやく春学期が始まりました。「すべてオンライン授業でやるように」というお達しが出ていますので、Zoomを使ってライブ授業を行っています。東洋大学ではWebExを推奨しているのですが、このアプリは本当に使いづらいので、個人でZoomのサービスを購入して使っています。結局、学部長に直訴して、経理で落とせるようになったので良かったですが・・・。ほかの教員も次々にZoomに乗り換えています。Zoomは安全性が疑問視されていましたが、実際に使ってみると、操作が簡単で、学生にも評判がいいです。とにかく使いやすい。これだけあっという間に広まるわけがわかりました。
自宅にこもっていると運動不足になるので、昼過ぎに買い物ついでに近くの公園に散歩に出かけています。ここは鬱蒼と木が茂っていて、澱んだ池もあって、死体が放置されていてもおかしくないような場所です。その散歩の途中で必ずトカゲを見かけます。あまりに暇なので、1日3匹見つけるのを日課としていますが、なかなか達成できません。なぜなら小枝とトカゲの区別がつかないからです。動いていると「あっ、トカゲだ!」となるのですが、じっとしているトカゲを見つけるのは至難の業です。でも、見つけると舌をペロペロ出して、結構かわいいです。まさに小さな恐竜です。まあ、息抜きにも目標が必要ということですね。
YouTubeでアメリカのニュースをよく見るのですが、コロナウイルスを巡るトランプ大統領の迷走ぶりは目を覆うばかりです。「消毒液を注射してみてはどうか。確かめるのは興味深い」と記者会見で話しているニュースをYouTubeで見ましたが、さすがに絶句しました。実際に試した人もいるそうです。5月7日時点でアメリカの感染者数は121万人を超えて、世界で断トツです。これでは11月3日の大統領選挙で再選される見込みはほとんどないでしょう。WHOや中国に批判の矛先を向けるのは、支持率低下を防ぐためですが、現状では民主党のジョー・バイデン候補が有利と報じられています。まあ、順当にいけば、バイデンが当選するでしょう。
バイデンが当選すれば、高齢化する連邦最高裁判事の顔ぶれも変わるでしょう。連邦最高裁判事は9名、そのうち保守が5名、リベラルが4名です。最高齢はルース・ギンズバーグ判事の87歳。トランプ大統領が任期中は辞めることができません。なぜならトランプは必ず保守派の判事を指名するからです。リベラル派のスティーブン・ブライヤー判事も81歳と高齢です。この二人はバイデン候補が当選することを心より祈っていることでしょう。私がアメリカに留学していた2008年に大統領選が行われましたが、オバマ・ブームを目の当たりにしました。コロナウイルスの感染拡大もあいまって、あの頃の熱狂ぶりは嘘のようです。しかし、どちらが当選するかによって大きく世界は変わります。あと6か月、アメリカ大統領選の行方も目が離せません。