今月のエッセイ(2016/09)
Author: セプティマ・レイ
8月21日(日)に通訳案内士試験の一次試験を受けてきました。いわゆる通訳ガイドになるための試験です。通訳案内士法により、報酬を得て、外国人に付き添い、外国語を使って旅行案内するためには、通訳案内士という国家資格を取得して、都道府県に登録する必要があります。外国人旅行者の急激な増加に伴い、通訳案内士の受験者数も増加の一途をたどっていますが、合格率は昨年度で19.3%であり、なかなかハードルの高い試験です。特に一次試験(筆記)の合格率は28.5%であり、二次試験(面接)の69.5%に比べるとかなり低く、一次試験が合格の鍵を握っていることがわかります。
試験科目は、語学、地理、歴史、一般常識の4科目ですが、さまざまな免除規定があります。私が選択した英語ではTOEIC840点以上で1次試験が免除されますので、「ラッキー!」とばかりにTOEICのスコアを提出して免除してもらいました。したがって、1次試験の受験科目は地理、歴史、一般常識の3科目です。実は、7月末まで大学の授業や期末試験、公開講座、コンサルの仕事などでまったく時間がなく、本格的に試験勉強を始めたのは8月に入ってからです。つまり、正味3週間しかありませんでした。過去問を見ると、難問のオンパレードなので、かなり効率的に勉強しないと合格点には届きないと確信しました。
そこで「何かいい勉強サイトはないかな~」とググっていたら、ハロー通訳アカデミーという学校が無料で過去の試験対策講座の授業をウェブサイトにアップしていることに気が付きました。試しに日本史の授業を視聴してみると、これが驚くほど素晴らしいものでした。永岡享先生という講師の先生が分かりやすく、そしてユーモアたっぷりに日本史を教えてくれます。私はあまりにも授業が面白いので、2倍速にして3回視聴しました。これで苦手だった寺社や文化が好きになりました。さらに大学教員としても、永岡先生の教授法に学ぶところが多く、今後の授業にそのノウハウを役立てようと思いました。
一方、地理と一般常識はなかなかいい勉強方法が見つかりませんでした。地理はハロー通訳アカデミーの教科書をダウンロードして、白地図に地名や名所の名前を書き入れながら覚えました。また、世界遺産や寺社の関する本をたくさん購入して、時間のある限り、写真を見ながら説明文を覚えました。これで地理は何とかなるかなと思いました。それよりも、一般常識が困りました。過去問を見ると、あまりに出題範囲が広すぎるので、的が絞れません。時間がない私は、観光庁が発行した「観光白書」とハロー通訳アカデミーの教科書を一通り読んだだけでした。
試験当日は、地理、歴史、一般常識の順番で試験が行われました。1科目40分です。ゆっくり考えている時間はありません。しかし、意外にも地理と歴史はまあまあできました。多分、合格基準点を超えていると思います。問題は一般常識です。ある程度予想はしていましたが、かなり難しかったです。ある専門学校の解答速報によると、私の点数は予想合格基準点だったので、合格・不合格は五分五分といったところです。発表は11月10日なので、まだまだ先ですが、もし受かると12月4日に二次試験があります。一次試験の合格発表を待って、二次試験の勉強をしても間に合わないので、ある程度の点数を取って受験生は一次試験を受かったものと想定して、二次試験の勉強を始めるそうです。なかなか心境的には微妙ですよね。まあ、私もここはポジティブに考えて、そろそろ二次試験の準備をしようかなと思っている今日この頃です。