今月のエッセイ(2016/08)
Author: セプティマ・レイ
私は早稲田大学と東洋大学で知的財産法のゼミを持っていますが、どちらも積極的に社会科見学を実施しています。7月12日には東洋大学の安藤ゼミでJASRAC見学を実施しました。JASRAC見学は2年ぶりです。ゼミ生は一人も欠席することなく、総勢27名で訪問しました。代々木上原にあるJASARCのビルの前に「15分前集合」としましたが、学生は一人も遅刻することなく、1階の受付でスムーズに手続をして、6階の会議室に入りました。
JASRACの職員のみなさんの対応はとても丁寧で、説明も大変分かりやすかったです。やはり、私が教室でJASRACの説明をするよりは、実際に現場で働いている職員の方々の生の声を聞く方が遥かに説得力があります。事前に質問票を送ったのですが、さらにその場での質問にお答えいただいたので、90分の予定が2時間の長丁場になりました。個人的には「JASRACの有識者理事はどのように決まるのですか」というゼミ生の質問が面白かったです。というのも、まさに私が訊きたい質問そのものだったからです。
私が1989年に音楽業界に入った時、JASRACの外国資料部のO氏という人にかなりきつい対応をされました。作品届の細かいミスを指摘され、何度も会社とJASRACを往復する羽目になりました。見かねた私の上司がO氏に電話を入れ、「今日は勘弁してあげてくださいよ」と頼み、やっとその日は解放されました。この時の印象があまり強く残っているので、しばらくトラウマになりました。「こっちは権利者なのに、なんでいじめられてんのかな~」と本当に不愉快に感じました。
その頃に比べると、JASRACは大きく変わったと思います。O氏のような守旧派はかなり減って、オープンで明るい人が増えたと思います。安藤ゼミからもすでに2名入社しています(一人は北海道大学、一人は早稲田大学)。安藤ゼミ内でのJASRAC人気は高く、毎年数名が入社試験にチャレンジしています。やはり、JASRAC見学の影響が大きいと思います。これからも教室を飛び出して、いろいろな出会いを求めていきたいと思う今日この頃です。