今月のエッセイ(2016/05)
Author: セプティマ・レイ
舛添要一東京都知事が往復225万円のファースト・クラスで海外に行き、一泊14~15万円の豪華なホテルに泊まったことに対して、批判が高まっています。また、週末に公用車で湯河原の別荘に通っていたことに対しても、世間の批判が集中しています。これらの批判に対して、舛添知事はルールに則っているので、問題はないと強弁しています。一方、埼玉県知事、千葉県知事、神奈川県知事は海外出張に際して、1~2万円台のホテルに宿泊しており、舛添知事の出費について疑問視しています。
この問題に対してはさまざまな意見があるようですが、私は舛添知事がファースト・クラスや豪華なホテルに泊まった一つの要因は、そのような贅沢を一度味わってしまったために、なかなかサービスのグレードを下げることができなかったのではないかと邪推しています。私は急いでいる時にたまに新幹線のグリーン車に乗りますが、たいていは空いていて、本当に快適です。二人掛けですが、隣に人が座ることはあまりありません。もう広いシートを独り占めできるのです。
また、これまで海外旅行でビジネスクラスに3度だけ乗ったことがあります。内訳としては、ダブルブッキングのためにエコノミーからビジネスクラスに格上げしてもらったことが2度、クライアントがハワイ旅行に招待してくれた時に1度、つまり、自分でビジネスクラスを予約したことはありません。しかし、ビジネスクラスは本当に快適で、あの心地よさを味わうとエコノミーに乗るのが嫌になります。それほどエコノミーとビジネスクラスとの間にはサービスの違いが存在します。
自分のお金でグレードの高いサービスを受けることに対して、他人が文句を言う権利はありません。しかし、税金を使ってグレードの高いサービスを受けるとなると、状況はまったく異なります。当然、納税者からの批判を受けることになりますし、納税者は文句を言う権利があります。そのような批判に対して、「ルールに則っているから」という抗弁はあまり説得力がありません。なぜなら、そのようなルールが国民の感覚とかけ離れていることがあるからです。
人間の欲というのは切りがありません。人間は本能的に、より快適な生活を求めてしまう生き物です。もちろん、快適な生活を求めることに何の問題もありません。ただし、それは自分のお金を使う場合に限ります。大企業の社長にもお抱え運転手に送り迎えさせている人もいれば、満員電車に揺られて通勤している人もいます。私が最初に勤めた会社は50人程度の小さな会社でしたが、社長は運転手に送り迎えさせていました。私は「経費の無駄だよ、電車に乗ればいいのに。その分、社員の給料を増やして欲しい」と思いました。
ところで話は変わりますが、5月25日(水)にキングレコードからスネオヘアーのニューアルバム「0(ラブ)」が発売されます。TBSのアニメーション「坂本ですが?」の主題歌「無くした日々にさよなら」も収録されています。メジャーアルバムとしては9枚目となるレコードです。ぜひ聴いてみてください。また、年末にはこのアルバムの収録曲をメインにしたツアーを東名阪で行う予定です。詳細が決まりましたら、スネオヘアーのHP(http://www.suneohair.net)でお知らせします。どうぞご期待ください。