今月のエッセイ(2014/12)
Author: セプティマ・レイ
シェーキーズの原宿店が10月31日をもって閉店してしまいました。とてもショックです。8月1日にNHKホールで行われた山下達郎さんのコンサートの帰りに行ったのが最後になってしまいました。NHKホールや渋谷公会堂の帰りに立ち寄るお店が一つ消えてしまいました。本当に残念です。もちろん、高田馬場店、新宿店、渋谷店、吉祥寺店など、東京にはまだまだシェーキーズがありますので、未来永劫、あの濃厚な味のピザが食べられなくなったわけではありません。ちなみにつくば店も健在です。
私はシェーキーズのピザが大好きで、あのピザを毎週食べたくて、吉祥寺に引っ越したほどのシェーキーズ・マニアです。さすがに50歳を過ぎると、頻繁には行かなくなりましたが、それでも時折、急にあの味を思い出しては、シェーキーズに直行したくなります。葛飾の実家に住んでいた時は、よく市川店まで京成線に乗って行きました。御茶ノ水店がある時は、楽器店巡りの帰りに必ず立ち寄りました。中学・高校生の時は、中央線の吉祥寺駅で降りて、当時600円くらいだった食べ放題のランチを堪能しました。
そもそも私のピザ好きは、小学生の時、母親に上野駅前の「ニコラス」に連れて行ってもらってから始まりました。ピザというものを初めて口にした時に、「こんな美味しいものが世の中にあるのか」と深い感動を覚えました。私の味覚をこれほどまでに感動させたのは、ニコラスの他には、中学1年生の時に初めて食べた吉野家の牛丼だけです(これまた涙が出るほど感動しました)。ちなみに上野の「ニコラス」は、1954年に日本で初めてピザを紹介したお店です。
私は東京(といっても葛飾という下町)で生まれ、育ったせいで、日本初というお店や食べ物に接する機会が少なくありませんでした。最も印象深い経験は、マクドナルドが日本で初めて出店した時のことです。当時、私は小学4年生。兄と家庭教師と銀座に行って、映画を見た帰りに(確か、チャールトン・ヘストン主演の「大地震」でした)、銀座に出店したばかりのマクドナルドに行きました。
その時は、定番メニューであるハンバーガーとポテト、マックシェイクを頼んだのですが、マックシェイクの美味しさとあったら、筆舌に尽くしがたいものがありました。ただ、アイスが解けたようなものなので、子供にとっては、なかなかストローで吸引するのが難しい。全部飲み尽くすまでに頬の筋肉が疲れ果てました。子供ながら、恐ろしく体力が要る飲み物だなと思いました。
翌日、小学校に行って「昨日、マクドナルドに行ってきたぜ」というクラスメートに自慢すると、たちまちヒーローです。「すげえな~、どうだった?」と興味津々に訊く級友たち。私は「なにがすごいかって、マックシェイク、あれ、牛乳5本分は入っているぜ」と自慢げに答えました。今考えると、大馬鹿野郎ですね。まあ、子供なんてそんなものです。
私の好きなマクドナルドもシェーキーズも経営的に苦戦しているようですが、ぜひ、子供たちの味覚を感動させるような、美味しい食べ物を提供し続けてもらいたいと思います。なお、シェーキーズは、カレーを提供するのをやめた方がいいです。原点に戻って、ピザとポテト、ソーダ(グレープソーダが一番!)、これで勝負すべきです。そして、ランチのピザにも具をたくさん入れること。ケチってはダメ。そうすれば、必ずお客さんは戻ってきます。頑張れ!シェーキーズ!以上、今月のエッセイでした。