今月のエッセイ(2014/09)
Author: セプティマ・レイ
早稲田大学の安藤ゼミでは毎年秋に2泊3日のゼミ合宿を行っています。これまで宿泊先は尾瀬(1回目)と白馬(2・3回目)でしたが、今年は新潟県の湯沢にしました。毎年、ゼミ合宿では著作権に関する裁判例を素材に6チームに分かれてディベートを行ってきましたが、今年は趣向を変えて一人20~25分のプレゼンテーションにしました。実は個人的にディベートがあまり好きではなく、これに代わるものを模索していたのですが、1人でプレゼンテーションするのも面白いなと思い、今年から取り入れたのです。
大学生が一人で20~25分、人前でプレゼンテーションをするのは結構大変です。もちろん、報告者はパワーポイントを使って発表しますが、聴衆の興味を引き続けるのは至難の業です。テーマは知的財産法かエンターテインメントに関することであれば何でもありということにしました。ただし、私との事前の打ち合わせはなし。さらに発表の順番は当日にくじで決めます。ゼミ生たちは自分の発表テーマがほかのゼミ生と被るのを恐れていましたが、確かめようがありません。
結果的に著作権保護期間と妖怪ウォッチのテーマが被ってしまいましたが、同じテーマでも報告内容や分析方法が異なっていたので、興味深く聞くことができました。後の発表者はやりにくかったかも知れませんが、さしたる問題は生じませんでした。また、新しくゼミ生になる2年生には自己紹介を10~12分間プレゼンしてもらいました。全員が物怖じせず、立派なプレゼンで感心しました。今年も安藤ゼミには優秀な学生が多数集まってくれたようです。
私も「なぜアイドル歌手は作詞し始めるのか」というテーマで報告を行いました。松田聖子、小泉今日子、中山美穂、浅香唯、安室奈美恵、工藤静香、持田香織(ELT)、鈴木あみ等、多くの一流女性アイドルがデビュー数年後に作詞活動を始めています。どういう理由から女性アイドルは作詞を始めるのかという分析なのですが、正直にいうと、ゼミ生の報告のクオリティーの方が高かったと思います。担当教員として大いに反省する一方で、ゼミ生の成長には心からうれしく思います。
来年3月から始まる就職活動では、企業や団体の面接官の前で自己アピールをしなければなりません。また、大学卒業後、人前で話をする機会は学生が想像する以上に多いでしょう。したがって、今から人前で話す訓練をすることは学生にとって有意義なことだと思います。学生の不安を払拭し、面接力や自己アピール力を伸ばすべく、今後も積極的にプレゼンの機会を設けていきたいと思います。