今月のエッセイ(2014/08)
Author: セプティマ・レイ
早稲田大学と東洋大学のゼミナールでは、年に10人くらいずつゲストをお迎えして、自分史や仕事の内容、就活のアドバイス等を語ってもらっています。これまでレコード会社の副社長や電通の局長等、錚々たるゲストに貴重なお話しをしてもらいました。最近知り合った方から20年来の親友まで、私とゲストとの付き合いの程度もさまざまです。春学期のゲストには、昔からの友人にたくさん来てもらいました。その中でも7月に早大に来てもらった某出版社のM君は特に古い付き合いです。なにせ私の大学時代の後輩ですから。
私は大学時代、「音楽友の会」というサークルに所属していました。M君は2年後輩になります。サークルではずっと山下達郎のコピーバンドをやっていましたが、リードギターなしの編成でやっていました。ただ、追いコンの時にどうしても「Ride on Time」を演奏したくて、M君にはリードギターとして参加してもらいました。この曲はアマチュア・バンドが演奏するには難しすぎるため、何度も何度も練習しました。それでも本番のステージは50点の出来でした。しかし、今ではそれもいい思い出です。あんな難しい曲に一生懸命チャレンジしてくれた後輩たちに感謝しています。
私のバンドは「山たつバンド」といって、達郎さんの曲だけを完コピしていました。それもかなりマニアックなバンドで、達郎さんがパーソナリティーを担当していたNHKFMの「サウンドストリート」で放送されたライブ演奏をカセット・レコーダーでテープに録音して、バンドのメンバーに配り、各自が自分のパートを耳コピし、ステージで再現していました。当然、達郎さんのライブには毎年通いました。どのように弾いているのか、左手の運指やフォームを食い入るように見ていました。今でも自分の好きな曲をギターでカッティングしては、当時を懐かしんでいます。
そんな中、8月1日にNHKホールで行われた達郎さんの「Maniac Tour」を見に行きました。懐かしい曲のオンパレードで、学生時代の日々が次々にフラッシュバックしました。ネタバレになるのでセットリストは書けませんが、達郎ファンとしては感動で胸がいっぱいになるような内容でした。来年はデビュー40周年ということで、ツアーはかなり派手な内容になるそうです。こちらも本当に楽しみです。私はユーミンに衝撃を受け、RCサクセションで人生観が変わり、達郎さんを聴いて音楽の世界で生きていこうと決めました。NHKホールで16ビートの心地よい風を全身に浴びながら、大学時代の思い出に浸る一日でした。