今月のエッセイ(2014/01)
Author: セプティマ・レイ
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、昨年は久々にテレビドラマが充実した年でした。「あまちゃん」(NHK)、「半沢直樹」(TBS)、「Doctor-X 外科医・大門未知子season 2」(テレビ朝日)、「リーガル・ハイ2」(フジテレビ)は、すべて見ました。これらのドラマの共通点は、脚本とキャスティング(特に脇役)が素晴らしいことです。また、胸を打つせりふも多く見られました。
「あまちゃん」では、鈴鹿ひろ美が主人公のアキに言った「向いてないけど、続けるっていうのも、才能よ」というせりふは忘れることができません。誰にでも夢はあるでしょう。叶う夢もあれば、叶うことのない夢もあります。夢に向かってコツコツ努力を続ける人は、ときには「ほんとに私は向いているのだろうか」と迷うこともあると思います。でも、アキのように好きなことを続ける、それだけで素晴らしい人生といえるのではないでしょうか。
「Doctor-X」では、理不尽な上司の命令に、部下の医者や事務員が「御意、御意」というのに対して、主人公の大門先生が「異議あり」「なんで?」と率直な疑問を投げかけます。このドラマは「私、失敗しないので」が決めぜりふですが、私は大門先生が傲慢な上司に対して、真顔で「なんで?」と言うシーンが大好きです。現実社会ではなかなか上司に向かって「なぜですか?」とは言えないでしょうが、願わくは大門先生のように言える勇気を持ちたいものです。
「半沢直樹」では、「やられたらやり返す。倍返しだ!」というセリフが印象的でした。これは2013年の流行語にもなりましたね。理不尽な上司や役人の命令に対して、主人公の半沢が決めぜりふとして使います。まあ、まあ、もっと穏やかに・・・と思う人もいるでしょうが、現実社会はそんなに甘くはありません。食うか、食われるか、弱肉強食の世界です。正直者が損をする社会はおかしいと思います。私利私欲を貪る上司に倍返ししても、バチは当たらないでしょう。
「リーガル・ハイ2」では、主人公が「半沢直樹」と同じ堺雅人だったため、ドラマの中で「やられたらやり返す。倍返しだ!」というセリフを期待しましたが、さすが、脚本家の古沢良太さんは「あまーい!やられてなくてもやり返す。身に覚えのないヤツにもやり返す! 誰彼かまわず、八つ当たりだ!」というセリフを主人公の古美門研介に言わせました。これには大笑いしました。主人公の型破りな性格がよく表れていると思います。
さて、今年はどんなドラマがヒットするでしょうか。個人的には「Doctor-X」の続編と映画を見てみたいです。昨年は内容がしっかりした脚本と演技のうまい俳優陣をそろえれば、テレビドラマは高い視聴率が取れることを証明した年だったと思います。今年もどんな素晴らしい脚本・俳優陣でドラマが作られるのか、本当に楽しみです。