今月のエッセイ(2012/06)
Author: セプティマ・レイ
5月26日に北大時代の教え子の結婚式に出席するために旭川に行ってきました。3年間、札幌に住んでいたにもかかわらず、旭川に行くのは今回が初めてです。夕方に着いたのですが、5月下旬というのにかなり冷え込んでいました。ホテルで少し休んで、18時30分から始まる結婚式に出席しました。
花嫁は教え子から以前紹介されていたので、面識はあったのですが、ウェディングドレスを着た彼女はさらに美しかったです。結婚式の最後に花嫁が両親宛の手紙を読むのですが、それがもう素晴らしくて不覚にも涙が出ました。プライベートな話なので、詳細は書けませんが、今まで聞いた花嫁の感謝の言葉の中では断トツでした。
あまりに感動したので、帰りの飛行機では、「感謝」や「表現」について考えさせられました。日本人はシャイなので、感謝の言葉が苦手です。でも、言わなければわからないことはたくさんあります。アメリカのような人種のるつぼのような国では言わないと通じませんから、はっきりと物をいう人が多いのは頷けます。しかし、日本も、もはやはっきり言わないと通じない国になりつつあるのではないでしょうか。これだけ価値観が多様化している社会では、あうんの呼吸を期待するのは難しくなってきていると思います。
英会話の学校で1分間スピーチという訓練を受けたことがあります。自分の言いたいことを1分でまとめて、1分間話すというものです。実はこれは日本語で行います。結構簡単なように思うでしょう。いやいや、これがなかなか難しいのです。みなさんも自己表現の訓練だと思って、ためしに1度やってみてください。いかに自分の気持ちをわかりやすく相手に伝えるか。日本人にとっては永遠の課題かもしれません。