今月のエッセイ(2017/02)
Author: セプティマ・レイ
このエッセイを読んでいる人から「通訳ガイド試験の結果、どうでしたか」とよく訊かれます。1月17日の午前9時30分に日本政府観光局のサイトで通訳ガイド試験の最終合格者が発表されました。結果は合格でした。最終合格率は20%くらいですが、一次試験が33.2%、二次試験が62.9%なので、通訳ガイド試験は一次の筆記試験が勝負とよく言われています。ただ、二次試験でも10人に4人は落ちているので、油断はできません。また、仕事が忙しく、二次試験の勉強をする時間がほとんどなかったので、今回は内心「無理かな」と思いました。ただ、ハロー通訳アカデミーから出版されている「日本的事象 英文説明300選」だけは繰り返し読みましたし、音声が収録されているCDを何度も聴きました。
試験当日(12月4日)、試験会場である昭和女子大学に向かいました。私の試験時間帯は13時から14時です。一次試験の合格証と身分証明書を見せて、会場に入り、自分の順番が来るのを待ちました。ようやく自分の名前が呼ばれたので部屋に入ると、真面目そうな日本人女性と優しそうな外国人女性が座っていました。まず、日本人の面接官が話す日本語を英語に逐次通訳をします。内容は「富士登山の際には法律で禁止されていることがあります。花や実や昆虫を採ったり、小石や溶岩を取り除いたり、落書きをしたり、テントを張ったり、たき火をしたり、決められた登山道以外を歩くことなどです」というものでした。メモを取ったのですが、かなり情報量が多かったので、全部は訳出できませんでした。ただ、全体の8割を訳出できればいいという感じで答えました。
次に面接官から日本語の単語が書かれている3枚のカードが渡されました。この中から1つを選んで2分間のスピーチをします。私に渡されたカードは「日本の城の種類」「人力車」「川柳」でした。2分間の準備時間があるのですが、ぎりぎりまで「人力車」と「川柳」で迷いました。結局、「人力車」は乗ったことがないので、スピーチの後の質問に対応できないと思い、「川柳」にしました。内容は、川柳は5・7・5である、俳句と違って季語がない、批判や皮肉が多い、サラリーマン川柳というものがある、という感じで何とか2分間のスピーチを終えました。その後の質疑応答は、結構うまく対応できたと思います。
通訳ガイドになるためには住所がある県庁に登録しなければなりません。2月3日に合格証が自宅に発送されるそうなので、2月の2~3週目に県庁に行って申請しようと思います。通訳ガイドは語学系の唯一の国家資格なので、長年英語を勉強してきた身としては素直にうれしいです。今年は、旅行業務取扱管理者試験に挑戦しようかなと思っています。2020年の東京オリンピックに向けて、通訳ガイドと旅行業務取扱管理者の需要はかなり増大するはずです。「芸は身を助ける」を信条に、これからも資格試験の勉強を続けていこうと思います。