今月のエッセイ(2012/03)
Author: セプティマ・レイ
ワープロというものが発明されて以来、誤変換を経験しない者はいないでしょう。「ゆかいな誤変換。」という本が出版されているほど、誤変換は身近なものです。「入学試験」が「乳が具志堅」になったり、「アインシュタイン」が「あ、飲酒多飲」になったり、笑える例は枚挙に暇がありません。私の知人にメールを読み直さずに送信する人がいますが(ちなみに有名な学者です)、彼のメールには必ずといって言いほど、誤変換が含まれています。
ところで私の名前もこの誤変換のせいで、よく間違えられます。「和宏」を「和弘」とする人がかなりいるのです。ワープロで「かずひろ」を変換すると、最初に「和弘」が出てくるためでしょう。私の本や論文を引用してくれるのはうれしいのですが、名前が「和弘」となっているのを見ると、がっくりきます。ましてや、長年の知り合いに「和弘」と間違えられると、脱力感が襲ってきます。いっそのこと、「和弘」に名前を変えようかなと思うくらいです。
ところで、現在、明治大学で講師をしているのですが、同大学の講師に「安藤和弘」先生という方がいます。経営学部で英語を教えている方のようですが、着任時に同一人物だと思われたようで事務局が混乱しました。したがって、今、「和弘」に名前を変えるのは得策ではないでようです。まあ、「和宏」は気に入っている名前だし、亡くなった父親がつけてくれたものなので、このまま一生「和宏」で通そうと思います。
ちなみに、明治大学の情報コミュニケーション学部には私の友人である今村哲也先生(専門は知的財産法)がいますが、同大学の法学部にまったく同姓同名の今村哲也先生(専門は行政法)がいます。事務局もさぞかし大変なことでしょう。