今月のエッセイ(2025/4)
Author: セプティマ・レイ
4月です。今日から学校は新学期、社会人は新年度です。このエッセイでもすでにお知らせいている通り、5月22日に弘文堂から『アメリカ著作権法』という概説書が発売されます。この本は私が20年かけて書いた学術書なので、いよいよ出版されると思うと感無量です。昨日、再校を完了したので、あとは念校を確認するだけです。マラソンでいうと、観客が待つ競技場のトラックに入ったところです。単著としては7冊目になりますが、初の学術書なので、気持ちは新人作家のようです。
この本は弘文堂のアメリカ法ベーシックス・シリーズの第15弾として発刊されます。表紙の色は、私が好きなブルーにしてもらいました。私が書いた本では、初のハードカバーの書籍になります。春休みは終日自宅に籠って校正作業をしていたのですが、授業がなかったので、かなり集中して校正することができました。おかげで、自分としてはとても満足のいく原稿になったと思います。最初で最後の学術書のつもりで書いたので、出版されたら燃え尽き症候群になりそうです。ちなみに6月21日(土)に明治大学で出版記念イベントを開催するので、ご興味のある方はぜひご参加ください。詳細は決まり次第追ってご案内します。
アメリカ著作権法には多くの法定許諾制度が規定されています。法定許諾制度とは、法律の規定に基づき、著作物の使用者が権限のある機関または著作権者の団体に対して、一定の手続を行い、規定の使用料を支払えば、個々の権利者から個別の許諾を得ることなく著作物を利用することができるというものです。ただし、手続をしないで著作物を利用すると、著作権侵害になるため、差止めや損害賠償を請求されるおそれがあります。一方、日本の著作権法は報酬請求権制度が多く規定されています。こちらは無断で利用されても、差止めは認められません。ここに大きな制度上の違いが認められます。お国柄といえばそれまでですが、まったく異なるアプローチをしていて面白いです。
リットーミュージックから初の単行本である『よくわかる音楽著作権ビジネス』が出版されてからちょうど30年が経ちました。最近では、この本の読者と仕事の場で会う機会が増えています。20歳でこの本を読んだ読者は、今年50歳になるわけなので、当然です。出版当時は、これほどのロングセラーになるとは思いませんでしたが、幸い、多くの方に愛読いただいて、今日まで書店に書籍を並べることができています。おかげさまで「そろそろ改訂版を」という声を頂いていますので、2026年に第7版を出版する予定です。
東洋大学では毎年春学期に公開講座を開催していますが、今年も6月28日(土)13時から16時15分までの180分(休憩15分)、「AI時代における音楽の盗作問題を考える」というテーマで公開講座を開催します。ゲスト講師2名をお迎えして、曲を聴いたり、実演しながら、日米の音楽盗作について考えるという企画です。申込期間は4月1日(火)〜6月18日(水)です。この講座を含めたパンフレットは、こちらでご覧いただけます。また、申込方法はこちら をご覧ください。ぜひ奮ってご参加ください。
最近、近所のワンちゃん入店可のカフェによく行きます。理由は2つ。第一に、飲み物が美味しいことです。カフェラテかコーヒーを頼むのですが、紙コップに注がれるカフェラテやコーヒーが絶品なのです。第二に、2階のフロアに店員がいないことです。さらに言うと、お客さんもいない。つまり、ほぼ貸し切り状態なのです。長居しても文句を言われないし、だれもいないので、とても落ち着くのです。近所の4つのカフェを順番に回っているのですが、最近はこのワンちゃんカフェの頻度が増えています。やっぱり落ち着く店が一番ですよね。