今月のエッセイ(2025/3)
Author: セプティマ・レイ
3月です。2月24日から3月1日から台湾に出張してきました。25日にAIと著作権をテーマにしたシンポジウム、26日に学生のワークショップに参加してきました。1年半ぶりの台湾でしたが、みなさん、相変わらず優しくて、本当に素敵な国であることを実感しました。近いうちにまた台湾大学で教えようかなと考え始めています。写真は、台湾に住んでいた時にほぼ毎日通っていた果物屋さんの看板猫です。健在で元気そうで何よりでした。名前を呼んだら微笑んでくれました。これからもずっと健康でいて欲しいです。
5月10日出版予定の「アメリカ著作権法」の初校が終わりました。400頁のボリュームなので、1か月たっぷり時間をかけました。編集担当者の木村さんに丁寧に見てもらったので、かなりミスが減りました。ただ、まだまだブラッシュアップしなければならないので、気が抜けません。400頁を一気に通読できるくらいの読みやすさにしたいと思っているので、さらに練り直します。20年かけて執筆した本なので、ぜひ手に取って欲しいです。今月中には予約販売が始まると思うので、来月のエッセイで詳しくお知らせします。
新・判例解説Watchに年に1~2回ほど判例評釈を執筆しているのですが、今回は久々に判例時報社から判例評釈の依頼がありました。評釈対象は「愛内里菜事件」です。この訴訟では、専属マネージメント契約に規定されている契約終了後における芸名使用禁止条項の有効性が争点になりましたが、裁判所は公序良俗に反しているため、無効という判決を下しました。評釈では、実務上の観点からパブリシティ権の譲渡性について詳しく解説しましたので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
2月と3月は学者にとってまとまった時間が取れるので、執筆依頼が集中します。売れっ子の学者に比べると、私はかなり依頼が少ない方ですが、それでも「著作権判例百選」と「著作権法コンメンタール」の執筆依頼が来ています。私の学界での立ち位置を反映して、どちらも音楽絡みのテーマです。ただ、せっかく5月10日にアメリカ著作権法の概説書を出版するので、今後はアメリカ著作権法関係の執筆依頼が増えたらいいな~と勝手に思っているところです。私はもうすぐ引退するので、そろそろ音楽著作権を専門とする学者が出てきて欲しいなと思います。
5月に「アメリカ著作権法」が出版されたら、再び国家資格の勉強を始めようと思います。せっかく勉強するのだから、いわゆる難関資格と呼ばれるものに挑戦する予定です。幸い、還暦を過ぎてもボケは来ていないようなので(というか、頭の回転は絶好調です)、もう少し頑張れそうです。資格の勉強はボケ防止になるし、新しい世界を知ることもできるので、良いこと尽くしです。今はネットで資格講座を受講することができるので、どこでもいつでも勉強できます。ということで、死ぬまでボケ防止のために勉強し続けようと思う今日この頃です。