今月のエッセイ(2025/1)
Author: セプティマ・レイ
1月です。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年の年末は5月10日に出版予定の『アメリカ著作権法』の校正をひたすらやっていました。校正は、誤字・脱字の修正だけでなく、表記の統一や事実確認、引用文献の出典確認等、かなり盛沢山です。通常は3回(初校・再校・念校)ですが、多いと4~5回やります。不思議なもので、校正を何回やっても誤字や脱字が見つかります。日本一読みやすい概説書を目指して、引き続き、頑張りたいと思います。
12月12日に日本音楽出版社協会の忘年会に行きました。ここ数年、毎年参加していますが、メインの目的は音楽業界に就職した教え子たちに会うためです。ただ、今年は会員以外の外部組織は参加できなかったらしく、10人くらいしか会うことができませんでした。それでも「先生、お久しぶりです」と声をかけてくれる教え子たちと近況を報告しあうのは至福の時です。定年まで4年なので、あと4回しか参加する機会がありませんが、年1回の再会の時を大事にしたいと思います。
とはいえ、東洋大学の安藤ゼミの卒業生たちは代にもよりますが、頻繁に同窓会を開催しています。また、1年に1回、全体の同窓会を開いているので、卒業後も連絡を取り合っているゼミ生はたくさんいます。転職を繰り返すゼミ生もいれば、最初に入社した会社で頑張っているゼミ生もいます。全体の比率でいうと半々くらいでしょうか。私は転職を繰り返した人間なので、ゼミ生には「嫌になったら辞めた方がいい」というアドバイスをしています。天職を見つけるための転職はありだと思います。
定年まであと4年となると、単行本をあと1冊書けるぎりぎりの時間です。実務書としては「よくわかる音楽著作権ビジネス」と「エンターテインメント・ビジネス」を出版しているので、出版するとしたら学術書です。ライフワークである終了権制度の学術書を出したい気持ちはありますが、あまりにも専門的すぎて、引き受けてくれる出版社があるかはかなり疑問です。ただ、大学の出版助成金制度を使えば、可能性は高くなります。それよりも、5月に出版される「アメリカ著作権法」に全力を注ぐのが先決ですね。
最近、学生から「先生のお勧めの本を教えてください」と訊かれることがあります。そんな時に私が勧める本は、三浦綾子「塩狩峠」(新潮文庫)、小川洋子「博士の愛した数式」(新潮文庫)、瀬尾まい子「そして、バトンは渡された」(文春文庫)の3冊です。「塩狩峠」は中学2年生の時に読んで衝撃を受けました。確か、新潮文庫の100冊フェアが始まった年で、100冊読破するつもりで片っ端から読んだ中の1冊でした。あとの2冊は本屋大賞の受賞作なので、説明するまでもないでしょう。名作中の名作です。