今月のエッセイ(2025/2)
Author: セプティマ・レイ
2月です。早いもので今年も1か月が過ぎてしまいました。東洋大学は1月ですべての授業と期末試験が終了します。秋学期はMusic Copyright Businessというエンターテインメント・ビジネスを英語で講義するという授業が木曜2限にありました。この授業は本来、正規学生向けの授業なのですが、教務課の手違いにより、今学期は交換留学生が履修できる科目に設定されてしまいました。国際課の職員に調整をお願いしたのですが、「すでに留学生に案内してしまったので無理です」と押し切られてしまいました。
経験上、交換留学生は日本に遊びに来ている学生が大多数なので、たいてい不真面目です。もちろん、真面目に授業を受ける留学生もいるので、一概には言えませんが、傾向としては不真面目な学生が圧倒的に多いのです。仕方なくこの授業を開講したのですが、案の定、授業を聞かずにパソコンでネットサーフィンしたり、携帯電話をいじったり、居眠りしたりとやりたい放題の学生が数名いました。不真面目な学生は全員アメリカ人留学生でした。教務課には「二度と交換留学生の授業は持たない」と伝えておきました。
一方、毎回最前席に座って、目を輝かせて授業を受ける留学生もいました(フランス人でした)。こういう学生がいると、来年も開講してようかな~と心が揺れますが、やはり不真面目な学生の不愉快さといったらありません。そもそも交換留学生制度自体、見直した方がいいと思います。台湾大学で教えていた時も経験しましたが、完全に観光目的の学生が相当数存在して、彼らのせいで授業運営が困難となります。台湾大学の場合、不真面目な学生はほぼオーストラリア人でしたが、今回はアメリカ人でした。どちらも英語圏なのが気になります。
5月10日に出版される「アメリカ著作権法」という概説書の初校がほぼ終わりました。400頁という大部なので、校正にもかなり時間がかかります。校正していると「これはコンピュータ・プログラムのバグ取りと似ているな~」と思うようになりました。プログラムはバグがあると正常に機能しません。書籍も同様に誤植や記載ミスがあると、読者は内容を理解することが難しくなります。さらにバグ取りも校正も集中力が必要です。私が昔プログラムを習っていた時に、先生が私の書いたプログラムを1回眺めただけで「ここ、間違っているわよ」と指摘した時の衝撃はいまだに忘れません。プロの集中力はすごいです。
2月28日の読売新聞の夕刊に私の記事が載りました。12月に明治大学で開催した「AI時代において音声はどのように保護されるべきか」というシンポジウムに参加してくださった読売新聞の記者さんが私の経歴に興味をもっていただいたようで、研究室で行われた3時間30分のインタビューを素晴らしい記事にまとめてくださいました。それほど大きな枠ではないのですが、限られたスペース(字数)で私の人生が見事に凝縮されていました。記者さんのような文章のスペシャリストに比べると、まだまだ私の筆力はヒヨコだな~と痛感する今日この頃です。